お祝いの品を買うとき、お店で「のしの表書きはどうされますか?」と聞かれて、すぐに答えられず困った経験はありませんか。「御祝」でいいのか、「寿」なのか、お返しなら「内祝」なのか……。場面によって言葉が変わるので、迷ってしまうのは当然です。
この記事では、のしの表書きを「お祝い」「お返し」「季節のご挨拶」「お見舞い・弔事」に分けて一覧にまとめました。あわせて、水引の選び方や、目上の方に使うと失礼になる言葉も紹介します。お店で伝える前や、自分で書く前の確認に使ってください。

お祝いの品を注文するときに表書きを聞かれて、とりあえず「御祝で」と答えちゃいました。本当はもっとふさわしい言葉があったのかな……。
- お祝い別の代表的な表書きと水引
- 内祝い・御礼などお返しの表書き
- お中元・お歳暮など季節のご挨拶の表書きと時期
- お見舞い・弔事で「のし」を付けない理由
- 目上の方に使うと失礼になる表書き

のしの表書き一覧|お祝い別の早見表
まずは、お祝いを贈るときの代表的な表書きを一覧で確認しましょう。水引(紅白のひも飾り)の種類もあわせて載せています。
| お祝いの場面 | 代表的な表書き | 水引 |
|---|---|---|
| 結婚祝い | 寿/御結婚御祝/御祝 | 紅白の結び切り(10本) |
| 出産祝い | 御出産御祝/祝御出産/御祝 | 紅白の蝶結び |
| お宮参り・初節句・七五三 | 御祝/御初節句御祝/七五三御祝 | 紅白の蝶結び |
| 入学・卒業・就職祝い | 御入学御祝/御卒業御祝/御就職御祝/御祝 | 紅白の蝶結び |
| 成人祝い | 御成人御祝/祝御成人/御祝 | 紅白の蝶結び |
| 新築祝い | 新築御祝/御祝 | 紅白の蝶結び |
| 長寿祝い | 寿/御祝/祝還暦・祝古稀・祝喜寿など | 紅白または金銀(蝶結び・あわじ結びなど) |
※出典:QUOカード「のし(熨斗)の種類・書き方」、三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」をもとに作成。地域やお店によって案内が異なる場合があります。
表を見るとわかるとおり、「御祝」はほとんどのお祝いに使える万能な表書きです。迷ったときは「御祝」にしておけば、失礼になることはまずありません。
ひとつだけ注意したいのが結婚祝いです。結婚は「一度きりであってほしいお祝い」なので、水引はほどけない結び切り(ま結び)を選びます。ほかのお祝いで使う蝶結び(もろわな結び・花結び)は「何度あってもうれしいこと」に使う結び方なので、結婚祝いには向きません(出典:三越伊勢丹)。
長寿祝いは年齢ごとに表書きが変わる
還暦(61歳・満60歳)は「祝還暦」、古稀(70歳)は「祝古稀」、喜寿(77歳)は「祝喜寿」、傘寿(80歳)は「祝傘寿」、米寿(88歳)は「祝米寿」、卒寿(90歳)は「祝卒寿」、白寿(99歳)は「祝白寿」、百寿(100歳)は「祝百寿」のように、「祝+長寿の名称」とするのが一般的です。名称を入れずに「寿」「御祝」としてもかまいません(出典:QUOカード)。

昔は長寿のお祝いは数え年でするものだったけれど、今は満年齢でお祝いする家庭も多いわね。どちらでするかは、家族で相談して決めれば大丈夫よ。
表書きを選ぶときの基本ルール
表書きは、ただ形式を整えるためのものではなく、贈り物の目的と気持ちを相手に伝えるための言葉です。選ぶときは次の3つを意識しましょう。
- 贈る目的をはっきりさせるお祝いなのか、お返しなのか、お礼なのか。目的が決まれば、使う表書きの候補が絞れます。
- 相手との関係を考える目上の方に贈るのか、親しい友人や後輩に贈るのかで、ふさわしい言葉が変わることがあります。
- 迷ったら一般的な言葉にする「御祝」「御礼」のように、幅広く使える言葉を選べば失礼になりにくいです。
三越伊勢丹のマナーガイドでも、表書きは「贈る相手と目的、そして贈り主の気持ちに応じて決めるのが基本」とされています。また、地域や慣習によって異なる場合があるため、迷ったらその地域や家のならわしに合わせるのが安心です(出典:三越伊勢丹「贈り物の表書きの書き方ガイド」)。
お返し(内祝い・御礼)の表書き
お祝いをいただいたお返しや、お世話になった方へのお礼にも、ふさわしい表書きがあります。お返しの場合は、名前の書き方にも決まりがあるので注意しましょう。
| 場面 | 表書き | 水引・名前の書き方 |
|---|---|---|
| 結婚祝いのお返し | 内祝/結婚内祝 | 紅白の結び切り(10本)。名前は夫婦の連名 |
| 出産祝いのお返し | 内祝 | 紅白の蝶結び。名前は赤ちゃんの名前(読み仮名を添える) |
| 新築祝いのお返し | 内祝 | 紅白の蝶結び。名前は姓またはフルネーム |
| お見舞いのお返し | 快気祝/全快祝/内祝 | 紅白の結び切り |
| お世話になったお礼 | 御礼/お礼 | 紅白の蝶結び |
※出典:三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」、QUOカードをもとに作成

お返しは「誰からのお返しか」を伝えるものなので、名前の書き方が場面ごとに変わります。表の右の列もあわせて確認してくださいね。
出産内祝いで赤ちゃんの名前を書くのは、お返しが赤ちゃんのお披露目を兼ねているためです。珍しい読み方の名前でなくても、読み仮名を小さく添えておくと親切です。
結婚内祝いの金額の目安
結婚祝いのお返し(結婚内祝い)は、いただいたお祝いの3分の1〜半額程度が目安とされています(いわゆる「半返し」)。ただし、これはあくまで目安で、地域や家庭の考え方によって違いがあります(出典:三越伊勢丹)。
季節のご挨拶(お中元・お歳暮など)の表書き
お中元やお歳暮などの季節の贈り物は、贈る時期によって表書きが変わるのが特徴です。時期を過ぎてしまったときに使える表書きも覚えておくと安心です。
| 表書き | 贈る時期の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 御中元 | 7月初め〜7月15日まで(地域によっては8月15日まで) | 近年は6月下旬から贈る人も多い |
| 暑中御伺(目上の方へ) | お中元の時期を過ぎてから立秋の前日(8月7日頃)まで | お中元に間に合わなかったときにも使える |
| 残暑御伺(目上の方へ) | 立秋(8月7日頃)から8月下旬頃まで | — |
| 御歳暮 | 12月初旬〜12月25日頃まで | 近年は11月下旬から贈る人も多い |
| 御年賀 | 松の内(1月7日)まで | 企業宛ては仕事始めから1月15日頃まで |
| 寒中御伺(目上の方へ) | 松の内を過ぎてから立春の前日(2月4日頃)まで | 松の内は関東で1月7日、関西で1月15日とされることが多い |
※出典:三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」をもとに作成。時期は地域によって異なります。
目上の方へは「御伺(おうかがい)」、同輩や目下の方へは「御見舞(おみまい)」とするのが一般的です。たとえば親しい友人に贈るなら「暑中御見舞」、上司や取引先に贈るなら「暑中御伺」と使い分けます。

取引先へのお中元が遅れてしまったときも、「暑中御伺」に切り替えれば失礼になりません。時期と表書きはセットで覚えておくと、ビジネスでも慌てずに済みますよ。

お見舞い・弔事は「のし」を付けない
のしは、もともとアワビを薄く伸ばして干した「のしあわび」に由来する縁起物です。そのため、お祝いごと(慶事)と一般的な贈り物にだけ使います。
- 病気・災害のお見舞い:のしは付けず、紅白の結び切りの水引がかかったかけ紙に「御見舞」とします。目上の方への病気見舞いは「御伺」がより丁寧です。
- 弔事(香典返し・お供えなど):のしは付けず、黒白(地域によっては黄白)の結び切りの水引のかけ紙を使います。香典返しの表書きは「志」が一般的で、関西などでは「満中陰志」も使われます。
弔事でのしを使わないのは、仏事では「生臭物(なまぐさもの)」を避ける考え方があり、海産物に由来するのしがふさわしくないためとされています(出典:三越伊勢丹)。
お見舞いや弔事の表書きは、宗教・宗派や地域によって異なることがあります。迷う場合は、葬儀を担った方や地域の慣習に詳しい方に確認しておくと安心です。
目上の方に使うと失礼になる表書き
表書きの中には、相手との関係によっては失礼になってしまう言葉もあります。とくに次の2つは注意しましょう。
- 寸志・薄謝:目上の人から目下の人へ贈るときの言葉。目上の方には使わず「御礼」「お礼」とする
- 粗品:間違いではないが、大切な贈り物にはへりくだりすぎた印象になることも。「こころばかり」「ご挨拶」が無難
「寸志」は「わずかな気持ち」という意味で、上司が部下に渡すときなどに使う言葉です。お世話になった先生や上司へのお礼に使うと、思わぬ誤解を招くことがあります。感謝を伝えたいときは「御礼」と書けば間違いありません。
よくある質問
表書きに迷ったら、何と書けばいいですか?
お祝いなら「御祝」、お礼なら「御礼」が幅広く使えます。結婚祝いの場合は「寿」または「御祝」とし、水引は結び切りを選びましょう。
「御祝」と「お祝」はどちらが正しいですか?
どちらも使われますが、のし紙では漢字の「御祝」と書くのが一般的です。ひらがなの「お祝」はやわらかい印象になるため、親しい間柄の気軽な贈り物に向いています。
出産内祝いの名前は親の名前ではだめですか?
一般的には赤ちゃんの名前を書きます。お返しは赤ちゃんのお披露目を兼ねているためです。読み仮名を添えると、相手が名前を読みやすくなります。
お中元の時期を過ぎてしまったらどうすればいいですか?
立秋(8月7日頃)の前日までは「暑中御伺」(目下の方には「暑中御見舞」)、立秋を過ぎたら「残暑御伺」(同「残暑御見舞」)に表書きを変えて贈ります。
お店で注文するとき、表書きはどう伝えればいいですか?
「何のお祝い(お返し)か」と「名前(連名なら順番も)」を伝えれば、多くのお店ではふさわしいのし紙と表書きを用意してもらえます。百貨店や通販サイトでは、注文画面で表書きを指定できることが多いです。
参考
- 三越伊勢丹「贈り物の表書きの書き方ガイド|目的別・のし紙・かけ紙の選び方」(確認日:2026年10月1日)
- 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー|それぞれの違いやシーン別の選び方・表書きを解説」(確認日:2026年10月1日)
- 株式会社クオカード「のし(熨斗)の種類・書き方・知っておくべきマナーについて」(確認日:2026年10月1日)
まとめ
- お祝いの表書きに迷ったら、ほとんどの場面で使える「御祝」を選ぶ
- 結婚祝いは「寿」や「御結婚御祝」とし、水引は結び切りにする
- お返しは「内祝」。出産内祝いは赤ちゃんの名前を書く
- 季節のご挨拶は時期で表書きが変わる。目上の方には「御伺」を使う
- 「寸志」「薄謝」は目上の方に使わず、「御礼」とする
表書きは地域や家のならわしによって異なることもあります。迷ったときは、贈る相手の地域の慣習や、購入するお店の案内も参考にしてください。
