のし紙や祝儀袋を選ぶとき、売り場に並ぶ水引の種類の多さに戸惑ったことはありませんか。蝶結びと結び切り、紅白と金銀、5本と10本……。どれも似て見えますが、実はそれぞれに意味があり、選び方を間違えると失礼にあたることもあります。
この記事では、水引の種類を「結び方」「色」「本数」の3つに分けて整理し、お祝いの場面ごとにどれを選べばよいかを早見表でまとめました。結婚祝いで避けたい水引や、弔事との違いもあわせて紹介します。

出産祝いの祝儀袋を買いに行ったら、水引の形がいろいろあって迷ってしまいました。結婚祝い用のを選んだら、まずいですよね……?
- 水引の意味と、選ぶときの3つのポイント
- 蝶結び・結び切り・あわじ結びの違い
- 紅白・金銀など色の使い分け
- 本数(5本・7本・10本)の意味
- お祝い別の水引の早見表

水引とは?選ぶときの3つのポイント
水引(みずひき)は、贈り物や祝儀袋にかける飾りひもです。もともとは品物を包んだ紙を結び留めるためのもので、結び目には贈り主の気持ちが込められていると考えられてきました(出典:三越伊勢丹「水引マナー完全ガイド」)。
今は印刷された水引も一般的ですが、意味は変わりません。水引を選ぶときは、次の3つをセットで考えます。
水引は「結び方・色・本数」の3点で選ぶ
結び方は「繰り返してよいお祝いか、一度きりのお祝いか」、色は「お祝いか弔事か・格式」、本数は「格式や地域の慣習」で決まります。中でもいちばん大切なのは結び方の選び分けです。
水引の種類|結び方・色・本数の早見表
まずは全体像をつかみましょう。お祝いの場面でよく使う水引を、結び方・色・本数で一覧にしました。
| 種類 | 意味 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 蝶結び(もろわな結び・花結び) | ほどいて何度でも結び直せる=何度あってもうれしい | 出産・入学・新築・お中元・お歳暮・お礼など |
| 結び切り(ま結び) | 固く結んでほどけない=一度きりであってほしい | 結婚・快気祝い・お見舞い・弔事 |
| あわじ結び(あわび結び) | 固く結ばれ、末永く続く | 結婚・長寿祝いなど(地域によっては幅広く使う) |
| 紅白 | 一般的なお祝い・贈答 | ほとんどのお祝い |
| 金銀 | より格式の高いお祝い | 結婚祝いや高額のご祝儀など |
| 黒白・双銀・黄白 | 弔事 | 香典・法要など(黄白は主に関西などの地域) |
※出典:三越伊勢丹「水引マナー完全ガイド」をもとに作成。地域や慣習によって異なる場合があります。
蝶結び(もろわな結び・花結び)
ひもの端を引けば簡単にほどけ、何度でも結び直せる結び方です。そこから「何度あってもうれしいこと」に使います。出産、入学、新築、お中元・お歳暮、日頃のお礼など、お祝いや贈り物の多くはこの蝶結びです。
結び切り(ま結び)
固く結んで、ほどくことができない結び方です。「これ一度きりで、繰り返さないでほしいこと」に使います。代表的なのは結婚祝いと、病気やけがが治ったときの快気祝いです。色を黒白などに変えれば弔事にも使います。
あわじ結び(あわび結び)
結び切りの一種で、輪が複雑に絡み合った形が特徴です。両端を引くとさらに固く結ばれることから、末永いお付き合いを願う場面に使われます。結婚祝いや長寿祝いのほか、地域によっては一般的なお祝いにも広く使われています。

関西のほうでは、あわじ結びをいろいろなお祝いに使うことが多いのよ。地域によって「普通」が違うから、相手の土地の習わしがわかるなら合わせてあげると安心ね。
水引の色の意味と使い分け
水引の色は、お祝い(慶事)とお悔やみ(弔事)を見分けるいちばんのポイントです。お祝いに弔事用の色を使うのは大きな失礼になるので、ここは必ず確認しましょう。
- 紅白:一般的なお祝いや贈り物に広く使います。迷ったらまず紅白です。
- 金銀:紅白よりも格式の高いお祝いに使います。結婚祝いで多めの金額を包むときなどに選ばれます。
- 黒白・双銀(銀一色):葬儀や香典、法要などの弔事に使います。
- 黄白:主に関西などの一部地域で、法要などの弔事に使われます。
金銀の水引は格式が高いぶん、少額のご祝儀には不釣り合いになることがあります。包む金額と水引の豪華さをそろえることも意識しましょう。

会社の同僚の結婚祝いを数千円で包むなら、紅白の祝儀袋で十分です。金銀の立派な袋に少額だと、かえってちぐはぐな印象になってしまいますからね。
水引の本数の意味
水引の本数にも意味があります。お祝いごとでは、割り切れない奇数が好まれます。
| 本数 | 意味・使う場面 |
|---|---|
| 3本 | 略式。ちょっとした贈り物など |
| 5本 | もっとも一般的。多くのお祝い・贈り物 |
| 7本 | 5本より丁寧。改まった贈り物や高額のお祝い |
| 10本 | 結婚祝い。5本を2つ合わせ、両家の結びつきを表す |
※出典:QUOカード「のし(熨斗)の種類・書き方」、三越伊勢丹「水引マナー完全ガイド」をもとに作成
9本は「苦」に通じることから、あまり使われません。結婚祝いの10本は偶数ですが、「5本を2束合わせた=両家が結ばれる」という特別な意味があるため例外です(出典:QUOカード)。
弔事の水引の本数は、偶数を使う地域もあれば5本・7本を使う地域もあり、地域差が大きいのが実情です。弔事で迷ったときは、地域の慣習に詳しい人や葬儀社に確認しましょう。
お祝い別|どの水引を選べばいい?
ここまでの内容を、お祝いの場面ごとにまとめます。のし紙・祝儀袋を選ぶときにそのまま使ってください。
| お祝いの場面 | 結び方 | 色 |
|---|---|---|
| 結婚祝い | 結び切り・あわじ結び(10本が多い) | 紅白・金銀 |
| 出産祝い | 蝶結び | 紅白 |
| 入学・卒業・就職祝い | 蝶結び | 紅白 |
| 新築・上棟祝い | 蝶結び | 紅白 |
| 長寿祝い | 蝶結び・あわじ結びなど | 紅白・金銀 |
| 結婚内祝い(お返し) | 結び切り | 紅白 |
| 出産内祝い(お返し) | 蝶結び | 紅白 |
| 快気祝い・お見舞い | 結び切り | 紅白 |
※出典:三越伊勢丹「水引マナー完全ガイド」、三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー」をもとに作成。地域や家庭の慣習で異なる場合があります。
いちばん多い失敗は、結婚祝いに蝶結びを使ってしまうことです。蝶結びは「何度あってもいい」という意味なので、結婚には向きません。反対に、出産祝いに結び切りを使うのも本来の意味とは合いません。購入前に、結び方だけは必ず確認しましょう。

覚え方はシンプルです。「結婚とお見舞いは結び切り、それ以外のお祝いは蝶結び」。この2つさえ押さえておけば、大きく外すことはありませんよ。
水引を間違えてしまったら
渡す前に気づいたら、すぐに正しいのし紙や祝儀袋に取り替えましょう。渡したあとで気づいた場合は、ひと言おわびを伝えるか、改めて正しい形で贈り直すのがていねいです(出典:三越伊勢丹)。

よくある質問
出産祝いと入学祝いは同じ水引でいいですか?
はい、同じで問題ありません。どちらも何度あってもうれしいお祝いなので、紅白の蝶結びを選びます。
結婚祝いに蝶結びを使ってはいけないのはなぜですか?
蝶結びは「ほどいて何度でも結び直せる」ことから、繰り返してよいお祝いに使う結び方だからです。結婚は一度きりであってほしいお祝いなので、ほどけない結び切りやあわじ結びを選びます。
印刷の水引でも失礼になりませんか?
品物にかけるのし紙は、印刷の水引が一般的です。祝儀袋の場合は、包む金額が多いほど実物の水引がついた豪華なものを選ぶのが一般的なので、金額に合わせて選びましょう。
水引の本数は必ず守らないといけませんか?
厳密に気にする人は多くありませんが、結婚祝いは10本、一般的なお祝いは5本か7本を選ぶと安心です。地域によって慣習が異なるため、迷ったら市販の「〇〇祝い用」と書かれたものを選びましょう。
お見舞いに紅白の水引を使ってもいいですか?
お見舞いには紅白の結び切りを使い、のしは付けないのが一般的です。病気やけがが「繰り返さないように」という意味を込めて、蝶結びは避けます。
参考
- 三越伊勢丹「水引マナー完全ガイド|意味・種類・色・結び方とシーン別の使い分け」(確認日:2026年10月1日)
- 三越伊勢丹「のし紙とかけ紙の正しいマナー|それぞれの違いやシーン別の選び方・表書きを解説」(確認日:2026年10月1日)
- 株式会社クオカード「のし(熨斗)の種類・書き方・知っておくべきマナーについて」(確認日:2026年10月1日)
まとめ
- 水引は「結び方・色・本数」の3点で選ぶ
- 蝶結びは何度あってもうれしいお祝い、結び切り・あわじ結びは一度きりのお祝いに使う
- お祝いは紅白(格式が高い場面は金銀)、弔事は黒白・双銀・黄白
- 本数は5本が一般的。結婚祝いは5本を2束合わせた10本
- 迷ったら「結婚とお見舞いは結び切り、それ以外のお祝いは蝶結び」と覚える
水引の使い方は地域や家庭によって違うこともあります。相手の地域の習わしがわかる場合は、それに合わせるのがいちばん安心です。
