お祝いの品を用意したものの、「のし紙のどこに何を書けばいいの?」「名前はフルネーム?連名のときの順番は?」と手が止まってしまうことはありませんか。普段は書く機会が少ないぶん、いざとなると迷いやすいものです。
この記事では、のしの書き方を「表書き」「名前」「筆記具」の3つに分けて整理しました。個人・夫婦・連名・会社名など、贈り方のパターン別に早見表でまとめているので、手元ののし紙と見比べながら確認してください。

のし紙って、上と下に何か書くのはなんとなく知っているんですけど……。名前の位置とか、3人で贈るときの順番とか、正直自信がないです。
- のし紙の「表書き」と「名前」を書く位置
- お祝い別の代表的な表書き
- 個人・夫婦・連名・会社名の書き分け方
- 使ってよい筆記具と、避けたい書き方
- 手書き・印刷・お店に頼む場合の選び方

のしの書き方の基本|表書きと名前の位置
まず結論からお伝えします。のし紙は、中央の水引(紅白のひも)を境に上段と下段に分けて使います。
結論:のし紙は「上段=目的」「下段=贈り主」
水引の上の中央に表書き(「御祝」など贈る目的)を書き、水引の下の中央に贈り主の名前を、表書きよりやや小さく書きます。どちらも文字が水引やのしの飾りにかからないようにします。
| 場所 | 書くこと | ポイント |
|---|---|---|
| 上段(水引の上・中央) | 表書き 例:御祝、寿、内祝 | いちばん大きく、中央にまっすぐ書く |
| 下段(水引の下・中央) | 贈り主の名前 例:山田太郎 | 表書きより少し小さく書く。一般的にはフルネーム |
| 右上の飾り | (何も書かない) | これが本来の「のし」。文字をかぶせない |
※出典:三越伊勢丹「祝儀・不祝儀やかけ紙に名前を書く際のマナー」、QUOカード「のし(熨斗)の種類・書き方・知っておくべきマナー」をもとに作成
のし紙に書くのは、基本的に贈る側(自分)の名前です。相手の名前ではない点に注意しましょう。文字の大きさは「表書き>名前」の順にすると、全体のバランスが整って見えます。

迷ったら「上は何のための贈り物か、下は誰からか」と覚えておけば大丈夫です。ここから先は、それぞれの書き方を詳しく見ていきますね。
そもそも「のし」「のし紙」「かけ紙」の違い
書き方の前に、言葉の意味を整理しておきます。普段まとめて「のし」と呼んでいるものは、厳密には次のように分かれます。
- のし(熨斗):水引の右上についている六角形の飾り。もとはアワビを薄く伸ばして干した「熨斗鮑(のしあわび)」が由来とされる
- 水引(みずひき):紅白などのひも飾り。結び方で意味が変わる
- のし紙:のしと水引が印刷された紙。品物にかける
- かけ紙:のしがなく、水引だけが印刷された紙
- のし袋:のしと水引がついた封筒。お金や商品券を入れる
のしは慶事(お祝いごと)の贈り物に使うものです。弔事(お悔やみ)ではのしのない掛け紙を使うのがマナーとされています。また、のしはもともと生ものを表す飾りなので、肉や魚などの生ものにはつけないという考え方もあります(出典:QUOカード)。
この記事では、お祝いの品にかける「のし紙」の書き方を中心に解説します。
表書き(上段)の書き方
表書きは、贈り物の目的を相手に伝えるための言葉です。水引の上の中央に、名前よりも大きく、楷書(くずさない書き方)でていねいに書きます。
お祝い別の代表的な表書き
| 場面 | 代表的な表書き |
|---|---|
| 結婚祝い | 寿/御結婚御祝/御祝 |
| 出産祝い | 御出産御祝/祝御出産/御祝 |
| 入学・就職祝い | 御入学御祝/御就職御祝/御祝 |
| 新築祝い | 新築御祝/御祝 |
| 長寿祝い | 祝還暦(61歳)/祝古稀(70歳)/祝喜寿(77歳)など |
| お祝いのお返し | 内祝(結婚のお返しは「結婚内祝」も) |
※出典:QUOカード「のし(熨斗)の種類・書き方・知っておくべきマナー」の表書き例をもとに一部抜粋。地域やお店によって案内が異なる場合があります。
どの表書きにすればよいか迷ったときは、多くの場面で使える「御祝」を選べば大きく外れません。お店で購入する場合は、用途を伝えればふさわしい表書きを提案してもらえます。
出産祝いのお返し(出産内祝い)では、名前の欄に赤ちゃんの名前を書くのが一般的です。赤ちゃんのお披露目を兼ねるためです(出典:QUOカード)。
名前(下段)の書き方|パターン別に解説
下段の名前は、贈り主が誰なのかを伝える大切な部分です。人数や立場によって書き方が変わるので、パターン別に確認しましょう。
個人で贈る場合
水引の下の中央に、表書きより少し小さくフルネームで書きます。家として贈る気持ちを表したい場合は、姓(名字)だけを書くこともあります。
会社名・肩書きを入れる場合
中央に名前を書き、その右上に小さく会社名を添えます。肩書きを入れたいときは、名前の上に小さく書きます。文字の大きさは「表書き→名前→会社名→役職名」の順に小さくしていくと、名前が主役のバランスになります(出典:三越伊勢丹)。

取引先への贈り物では、会社名が入っていないと「どなたから?」となってしまうこともあります。仕事関係なら、会社名を添えておくと相手も管理しやすいですよ。
夫婦連名の場合
右に夫のフルネーム、左に妻の名前だけを書くのが基本です。妻の名字は繰り返さず、夫の名前の横に名前を並べます。
3名までの連名の場合
3名までなら全員の名前を書き入れます。立場や年齢が上の人ほど右側に書き、左へ向かって順に並べます。上下関係のない友人や同僚どうしなら、五十音順で右から書くことが多いです。
3名の場合は、目上の人を中央に置いてから左へ並べる書き方を案内しているお店もあります。「目上の人が右寄り、左へ行くほど順位が下がる」という考え方は共通しているので、ここを押さえておけば大丈夫です。
4名以上で贈る場合
4名以上になると、全員の名前を書くと文字が小さくなり、読みにくくなってしまいます。そのため、中央に代表者の名前を書き、その左に小さく「外一同」(または「他一同」)と添えます。部署や有志で贈るときは「〇〇部一同」「〇〇有志一同」のようにまとめる方法もあります。
全員の名前は、半紙や便箋などの別紙に書いて品物に添えると、誰からの贈り物か相手に伝わります(出典:三越伊勢丹)。
パターン別の早見表
| 贈り方 | 下段の書き方 |
|---|---|
| 個人 | 中央にフルネーム(家として贈るなら姓のみも可) |
| 会社名・肩書きあり | 中央に名前、右上に小さく会社名、名前の上に肩書き |
| 夫婦 | 右に夫のフルネーム、左に妻の名前のみ |
| 3名まで | 目上の人ほど右、左へ順に。同格なら五十音順 |
| 4名以上 | 中央に代表者名、左に小さく「外一同」。全員の名前は別紙に |
筆記具と、きれいに書くコツ
のし紙は、黒の毛筆か筆ペンで書くのが正式とされています。今はサインペンで書く人も増えていますが、目上の方への贈り物や改まった場面では、毛筆や筆ペンを使うとよりていねいな印象になります(出典:QUOカード)。
- 毛筆(濃い墨):もっとも正式
- 筆ペン(濃い黒):手軽で、いまはこれが一般的
- 黒のサインペン:普段の贈り物なら使われることが多い
- ボールペン・鉛筆、黒以外の色のペン:避ける
※出典:QUOカード、西武・そごう e.デパート「お中元ののしの名前の書き方」をもとに作成
もうひとつ大切なのが墨の濃さです。お祝いには、くっきりとした濃い黒で書きます。薄い墨(薄墨)はお葬式の香典などで使うものとされているため、お祝いには使いません(出典:小さなお葬式「香典の書き方で薄墨を使うのは葬儀だけ?」)。筆ペンには「慶弔両用」として濃墨と薄墨が一本になったタイプもあるので、使う側を間違えないようにしましょう。

昔は硯(すずり)で墨をすって、毛筆で書くのが当たり前だったのよ。今は筆ペンで十分ていねいに書けるから、気負わなくて大丈夫。ただ、ボールペンだけはやめておきましょうね。
きれいに見せる書き方のコツ
- 書く前に配置を決める表書きと名前がそれぞれ上段・下段の中央に収まるよう、文字数と大きさをざっくり決めておきます。
- 練習用の紙で一度書いてみる同じくらいの大きさの紙で試し書きをすると、文字の大きさや間隔がつかみやすくなります。
- 楷書でゆっくり書く上手さよりも、ていねいさが伝わることが大切です。字をくずさず、一画ずつはっきり書きます。
- 乾くまで重ねない筆ペンや墨は乾くのに少し時間がかかります。こすれてにじまないよう、しばらく置いてから包みます。

よくある失敗とNG例
のし紙の書き方で、うっかりやってしまいがちな失敗をまとめました。書き終えたら、次の項目を確認してみてください。
- 名前が表書きより大きくなっていないか
- 文字が水引やのしの飾りにかかっていないか
- ボールペンや、黒以外の色で書いていないか
- お祝いなのに薄墨で書いていないか
- 連名の順番(目上の人ほど右)が逆になっていないか
- 4名以上なのに全員の名前を詰め込んでいないか
- 贈り主の欄に相手の名前を書いていないか
書き損じた場合は、修正テープや二重線で直さず、新しいのし紙に書き直しましょう。のし紙は文具店や100円ショップなどでも手に入ります。
手書き・印刷・お店に頼む、どれを選ぶ?
のし紙は必ず手書きしなければならないものではありません。字に自信がない場合や、贈る数が多い場合は、印刷やお店のサービスを使っても問題ありません。目的に合わせて選びましょう。
- 手書き:身近な人へのお祝いや、気持ちを伝えたいときに。筆ペンと予備ののし紙を用意しておく
- パソコンで印刷:同じものを複数用意するときに。のし紙のサイズに合わせて位置を調整する
- お店に依頼:百貨店や通販で品物を買うときや、改まった贈り物に。表書き・名前・内のし/外のしを注文時に正確に伝える
百貨店や多くの通販サイトでは、注文時にのし紙の表書きや名入れを指定できます。品物と一緒に頼めば、きれいに仕上がったのし紙をかけてもらえるので、迷ったらお店に任せるのも賢い選択です。

お店に頼むときは「何のお祝いか」「誰の名前を入れるか(連名なら順番も)」をメモしておくと、注文がスムーズですよ。
よくある質問
のし紙に相手の名前は書きますか?
基本的には書きません。のし紙の下段に書くのは贈り主(自分)の名前です。相手の名前を入れたい場合は、表書きの左上に表書きより小さく書くという方法が案内されています。その場合、連名の並び順も変わるため、迷ったらお店に相談しましょう(出典:西武・そごう e.デパート)。
名前は名字だけでもいいですか?
一般的にはフルネームで書きますが、家として贈る気持ちを表したい場合は名字だけを書くこともあります。相手が同じ名字の人を複数知っていそうな場合は、フルネームにしておくと誰からの贈り物かがはっきり伝わります。
家族で贈るときはどう書けばいいですか?
夫婦なら右に夫のフルネーム、左に妻の名前を書きます。子どもも含めた家族全員から贈る場合は、名字だけを書く、または「〇〇家」とする方法もあります。親族間のお祝いなどで迷う場合は、家族内の慣習に合わせると安心です。
印刷したのし紙は失礼になりませんか?
失礼にはあたりません。百貨店や通販サイトでも、のし紙への印刷は一般的に行われています。手書きのほうが気持ちが伝わりやすいと考える人もいるので、身近な相手には手書き、改まった贈り物や数が多い場合は印刷やお店のサービス、と使い分けるのがおすすめです。
内のしと外のしは、どちらにすればいいですか?
厳密な決まりはありませんが、一般的には、贈る目的をはっきり見せたい結婚祝いや出産祝い、手渡しの贈り物は包装紙の上にかける「外のし」が選ばれます。控えめにしたい内祝いや、配送で汚れを防ぎたい場合は、包装紙の内側にかける「内のし」が選ばれることが多いです(出典:QUOカード)。
参考
- 三越伊勢丹「祝儀・不祝儀やかけ紙に名前を書く際のマナー」(確認日:2026年10月1日)
- 株式会社クオカード「のし(熨斗)の種類・書き方・知っておくべきマナーについて」(確認日:2026年10月1日)
- 西武・そごう e.デパート「お中元ののしの名前の書き方!苗字だけ?相手の名前?」(確認日:2026年10月1日)
- 小さなお葬式「香典の書き方で薄墨を使うのは葬儀だけ?一周忌は?気になるペンのマナー」(確認日:2026年10月1日)
まとめ
のし紙は、上段と下段に何を書くかさえ押さえれば、決して難しいものではありません。最後に要点を振り返ります。
- 水引の上の中央に表書き、下の中央に贈り主の名前を、表書きよりやや小さく書く
- 表書きに迷ったら、多くのお祝いで使える「御祝」を選ぶ
- 連名は目上の人ほど右に。4名以上は代表者名+「外一同」とし、全員の名前は別紙に
- 筆記具は黒の毛筆か筆ペン(濃墨)。ボールペンと薄墨は避ける
- 字に自信がなければ、印刷やお店の名入れサービスを使っても問題ない
マナーは地域や家庭によって違うこともあります。迷ったときは、贈る相手の地域の慣習や、購入するお店の案内も参考にしてください。
